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親族間売買で不動産を相場より安く買える?贈与税を抑える適正価格の決め方を解説

税金

宇野 雄也

筆者 宇野 雄也

不動産キャリア19年

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親から自宅や土地を譲り受けるのではなく、売買という形で相場より安い価格で取得したい。
そのように考えたとき、多くの方がまず気にされるのが、贈与税などの税金リスクではないでしょうか。
親族間売買は、不動産を低い価格で融通しやすい一方で、取引の内容によってはみなし贈与と判断され、思わぬ税負担が発生する可能性があります。

一体どこまで安くして良いのか、そもそも適正な相場や時価をどう把握すればよいのか、迷う点も少なくありません。
この記事では、親族間売買における不動産の適正価格の考え方や、相場より安い売買を行う際の贈与税の注意点を、初めての方にも分かりやすく整理して解説します。
親から安心してマイホームや土地を取得したい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。


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親族間売買で相場より安く買うときの基本

親族間売買とは、親子や兄弟姉妹などの近しい親族どうしで行う不動産の売買のことをいいます。
一般の売買と同じく売買契約を結び、代金を支払って所有権を移転する点は共通ですが、当事者の関係が近いため、価格を相場より安く設定しやすいという特徴があります。

しかし、相場より著しく安い価格で売買すると、税務上は「贈与があった」と判断される可能性が高くなります。
そのため、親族間売買では、まず「なぜ相場より安い取引が税務署から注目されやすいのか」を理解しておくことが大切です。

相場とは、同じような条件の不動産が市場でどの程度の価格で取引されているかを示す目安のことです。
税務上は、相場や取引事例価格に加え、国税庁が公表する路線価や固定資産税評価額などを基に算定される「時価」が重視されます。

この時価から大きく離れた価格で売買すると、「適正な対価を支払っていない」とみなされやすくなります。
したがって、親から自宅や土地を購入したいときには、事前に不動産の適正価格を把握し、売主と買主の双方が納得できる根拠ある価格設定を行うことが重要です。

さらに、親族間売買では、売買そのものだけでなく、そこに関わるさまざまな税金の全体像を押さえる必要があります。
代表的なものとして、買主側では贈与税や不動産取得税、登録免許税、場合によっては住宅ローン控除との関係が問題になります。

一方で売主である親には、売却益が出た場合に譲渡所得税住民税が課税される可能性があります。
このように、相場より安く買うことを検討する際には、「買主だけでなく売主の税負担も含めて確認する」という視点が欠かせません。

確認したいポイント 主な内容 見落としやすい点
親族間売買の特徴 相場より安い価格設定 贈与と判断される可能性
相場と時価の把握 取引事例や評価額の確認 根拠のない値引き設定
税金の全体像 贈与税と各種取得税 親の譲渡所得税の負担

親族間売買で「みなし贈与」と判断されるケース

親から自宅や土地を相場より大幅に安く購入すると、売買代金と時価との差額が、税法上は「贈与を受けた利益」とみなされることがあります。
贈与税は、個人から財産を贈与により取得した個人に対して、その取得時の時価を基準に課税される仕組みです。
そのため、形式は売買契約であっても、実質として値引き分の利益を無償で受け取ったと評価されると、みなし贈与として贈与税の対象となるおそれがあります。



親族間売買ではこの点が一般の第三者間の売買よりも注目されやすいため、価格設定に特に注意が必要です。

国税庁が公表している贈与税の手引きでは、贈与税の課税対象となる財産として、金銭や不動産などあらゆる財産に加え、経済的な利益も含まれることが示されています。

たとえば、名義だけを「子や親族に変更した場合」や、実際には親が「返済を求めない資金援助を行った場合」などは、形式が売買代金の立替や名義変更であっても、実質的には贈与として扱われることがあります。
また、不動産の名義を変更した際に、対価の支払いがない、又は著しく少ないと認められるときには、その不動産の価額が贈与税の課税財産とされる可能性があります。

このように、売買契約書の有無だけでなく、実質的な資金の動きや負担状況が重視される点を理解しておくことが大切です。

親族間で不動産を時価より低い価格で譲渡した場合、一般に「低額譲渡」と呼ばれ、税務上はその差額部分について贈与税や所得税の扱いが問題となります。
国税庁の通達や税務の解説では、著しく低い価額による譲渡があったときには、その低額譲受けによる利益が贈与税の対象となると整理されています。

具体的にどの程度の乖離でみなし贈与になるかは個別の事情により判断されますが、時価と売買価格の差が大きく、かつ資金の授受や返済の実態が乏しい場合には、税務署から取引内容の確認を受けやすくなります。
そのため、相場との乖離が生じる場合には、時価の把握方法や値引きの理由を客観的に説明できるようにしておくことが重要です。

項目 みなし贈与となる要因 注意して確認したい点
売買価格 時価との差額が大きい 不動産の時価の根拠確認
資金の流れ 親が実質的に負担 振込記録や返済条件
名義変更 対価の支払いが不十分 名義人と負担者の関係

親から自宅・土地を安く購入するための適正価格の決め方

親から自宅や土地を購入するときは、まず不動産の相場を客観的に把握することが大切です。
相続税や贈与税の計算に用いられる路線価は、国税庁が公表しており、地価公示価格のおおむね8割程度を目安として設定されています。
一方で、建物については市区町村が固定資産税評価額を定めており、土地建物ともに評価額からおおよその時価を推計できます。



さらに、不動産ポータルサイトの成約事例や近隣の取引価格も参考にしながら、相場より安く、かつ税務上も不自然にならない価格帯を検討していくことが重要です。

親族間売買の価格を検討するときは、「時価にどの程度近いか」という観点が欠かせません。
一般に、相続税や贈与税の評価に用いる「路線価や固定資産税評価額」を基準にすれば、税務署から見ても合理的な根拠がある水準になりやすいといえます。

また、固定資産税評価額は土地の公示価格のおおむね7割程度とされるため、この評価額を0.7で割ることで概算の時価を求める方法も知られています。
こうした複数の指標を組み合わせて「自分の不動産の時価」をおおまかに把握し、そのうえで親子間の売買価格を決めることが、贈与税のリスクを抑える基本となります。


親族間売買では、「時価の何割程度までであれば贈与とみなされにくいか」という点がしばしば検討されます。
一般的には、相続税評価額や市場での取引価格に大きく乖離しない範囲で価格を設定することが重要であり、税務上の判断では不動産全体の状況や背景も総合的に見られます。
また、親から別途資金援助を受ける場合には、住宅取得等資金の贈与税非課税措置などを活用しつつ、売買価格と贈与額の合計が不動産の時価と大きくずれないようバランスを取る視点が必要です。


<「親子だから安く売っても大丈夫だと思っていました」実際にあったご相談>

以前、ご実家の売却についてご相談を受けたお客様のお話です。

お客様は70代のお父様で、名古屋市内に長年住まわれていました。

年齢とともに施設への入所を考え始め、「実家は息子に住んでもらえたら安心だ」と考えられていたそうです。

ご相談に来られた際、お父様はこうおっしゃいました。

「他人に売るわけじゃないし、息子だから500万円くらいで譲ろうと思っているんです。」

物件を確認すると、周辺の相場では2,000万円前後で取引されている戸建でした。


私は、「親子間でも売買はできますが、相場とかけ離れた価格で売却すると、税務上は『売買』ではなく『贈与』と判断される可能性があります。」とお伝えしました。

すると、お父様も息子様も驚かれ、

「親子なんだから自由に金額を決められると思っていました。」と話されていました。


その後、不動産査定書や近隣の成約事例を参考にしながら、第三者が見ても合理的と説明できる価格を検討し、税理士とも相談したうえで売買価格を決定しました。

契約や引渡しも無事に終わり、お父様からは、「最初のまま安く売っていたら、後から思わぬ税金がかかっていたかもしれませんね。」

というお言葉をいただきました。


親族間売買は、通常の不動産売買とは違い、「親子だから」「兄弟だから」という理由だけで自由に価格を決めると、思わぬ税務上の問題が生じることがあります。

だからこそ、周辺相場や査定価格など、客観的な根拠をもとに適正な価格を設定することが大切です。

親族間だからこそ、後々トラブルにならないよう、売買価格の決め方には十分注意することをおすすめします。

このように、売買価格だけでなく、贈与や資金援助を含めた全体の資金計画を整理しておくと、税負担を抑えながら安心して取引を進めやすくなります。

確認項目 主な参考指標 ポイント
土地の相場把握 路線価・取引事例 税務評価と市場価格の両方確認
建物の評価確認 固定資産税評価額 評価額から時価を概算把握
資金援助との関係整理 贈与税非課税制度 売買価格と贈与額の合計を管理

贈与税を抑えて安全に親族間売買を行うための実務ポイント

親族間売買で相場より安く自宅や土地を取得する場合は、形式面を丁寧に整えておくことがとても重要です。
まず、売買契約書を作成し、売買代金や支払期日、引渡し時期などを明確に記載しておくことが基本になります。
さらに、実際の金銭の授受は金融機関口座を通じて行い、通帳の記録や振込明細を残しておくことで、実態が贈与ではなく売買であることを客観的に示しやすくなります。
このように、書面と資金の流れを一致させておくことが、後日の税務調査に備えるうえで有効です。


次に、所有権移転登記や住所変更登記などの手続きも、売買契約の内容どおり速やかに行うことが大切です。
登記簿上の名義と実際の居住状況や資金負担者が一致していないと、税務署から取引の実態について詳しい説明を求められる可能性があります。
住宅ローンを利用する場合は、親族間売買では金融機関の審査が厳しくなることがあるため、売買価格の妥当性や返済原資を説明できる書類を事前に準備しておくと安心です。
売買契約書、登記関係書類、評価資料などを一式まとめて保管しておくことも、実務上の重要なポイントです。


さらに、贈与税の観点からは、国税庁が示す贈与税の課税対象や財産評価の考え方に沿って、時価との乖離が大きくなり過ぎないよう配慮することが欠かせません。
相場より安く購入した場合、その差額部分が贈与とみなされれば、年間の基礎控除額を超える分について贈与税の申告と納税が必要になります。

親から自宅や土地を取得する前には、税理士などの専門家に、想定している売買価格や評価額、将来の相続への影響について相談しておくと、全体として無理のない資金計画と税負担の見通しを立てやすくなります。
取引前の段階で相談しておくことで、後から条件を大きく変更せずに済み、親子双方が納得しやすい形で親族間売買を進めることができます。

実務ポイント 具体的な内容 期待できる効果
契約書と資金の整合 売買契約書作成と振込記録保存 売買実態の客観的証明
登記と資料の整理 所有権移転登記と書類一括保管 税務調査時の円滑な説明
専門家への事前相談 価格設定と税負担の事前確認 贈与税リスクの軽減

まとめ

親から自宅や土地を相場より安く買う場合は、単に「お得」かどうかではなく、贈与税をはじめとする税金全体を見ながら慎重に進めることが大切です。
路線価や固定資産税評価額、取引事例を参考に適正な時価を把握し、そのうえで税務上無理のない価格設定と資金援助のバランスを検討しましょう。

売買契約書や金銭の授受、登記の流れをきちんと整えておけば、みなし贈与と判断されるリスクも抑えられます。
親族間売買の経験がある不動産会社なら、お客様ごとの事情を伺いながら、安全な価格の決め方や手続きの進め方を具体的にアドバイスできます。
親からの自宅・土地の購入を検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。


また、株式会社リンクラシアでは、

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